タイ仮想通貨事情 (まとめ)

タイ仮想通貨事情 (まとめ)

2019年度 タイ仮想通貨事情 まとめ

タイは2018年5月より仮想通貨(暗号通貨・暗号資産)に関して早急に対応策を決め法律をいち早く施行した国です。特に仮想通貨で会社資金を募るInitial Coin Offering (ICO) やSecurity Token Offering (STO)に関しては他国にないタイ独自の法律を制定しました。今回はタイの法律に詳しい専門家の方よりお聞きした内容とタイ証券取引委員会(以下、SEC)の情報を元にタイ仮想通貨界の近況を紹介します。

今後、タイで仮想通貨取引所の運営業務に関わりたい方、ICO/STOで資金調達したい方、また日本で仮想通貨の法律制定に携わる方々の参考になればと思います。

はじめに、タイでは仮想通貨(Cryptocurrency)及びToken(トークン)を「Digital Asset (デジタル資産)」と定義し、此れに関わる業者はDigital Asset Business (デジタル資産ビジネス)にカテゴライズされるようになりました。デジタル資産ビジネスには更に大きく3つの業種に分かれます。

①デジタル資産取引所運営業 

②デジタル資産ブローカー業 

③デジタル資産販売業

上記、何れかの会社を始める者は、まずタイ国で登記されたタイ国法人である必要があります。次に、SECを経てタイ財務省(Ministry of Finance, MOF)から営業許可を取得することになります。

最低登録資本金額

  • デジタル資産取引所運営業 登録資本金 5000万バーツ以上
  • デジタル資産ブローカー業 登録資本金 2500万バーツ以上 
  • デジタル資産販売業    登録資本金 500万バーツ以上 

上記、申請料金(30,000バーツ)と必要書類を添付してSECへ支払います。SECによる審査の後、問題がなければタイ財務省へ書類が回されます。(必要書類はSECのサイトにてダウンロードできます。)

申請期間はおおよそ4ヶ月。

承認を得た業者は業種により営業許可証の発行手数料を以下の通り支払います。

  • デジタル資産取引所運営業 250万バーツ
  • デジタル資産ブローカー業 125万バーツ 
  • デジタル資産販売業    100万バーツ

正規デジタル資産取引所(2019年1月現在)

正規デジタル資産ブローカー(2019年1月現在)

  • Coins TH (coins.co.th)

デジタル資産業者は営業許可の更新のため、年間手数料を支払う事になります。

  • デジタル資産取引所運営業 

 年間売買額の0.002% 相当のバーツ(上限2000万THB、下限50万THB)

  • デジタル資産ブローカー業 

年間売買額の0.001% 相当のバーツ(上限1000万THB、下限25万THB)

  • デジタル資産販売業    

年間売買額の1%相当のバーツ(上限500万THB、下限10万THB)

ICO/STO規定

ICO/STOに関する法律が施行された事により資金調達の在り方が大きくタイで変わりました。まずICO/STOを行う者は、事前にSECの認可を受け、ICOポータル(システムプロバイダー)を通してデジタル資産、トークンの販売をする事になります。

さらに一般投資家については30万バーツが投資額の上限とされ、また一般投資家向けには総発行枚数の70パーセントを超えて販売してはいけない事が義務付けられています。

ICO/STOの販売期間はSECより販売許可を得てから基本は6ヶ月以内とし、販売期間の延長申請を認められた場合のみ最高で12ヶ月間まで認められることもあります。販売時の受け付け通貨は以下のとおりです。

  • THB (Thai Baht)
  • BTC (Bitcoin)
  • BCH (Bitcoin Cash)
  • ETH (Ethereum)
  • ETC (Ethereum Classic)  
  • XRP (Ripple) 
  • LTC (Litecoin)  
  • XLM (Stellar) 

販売業者はICO/STOの販売期間が終了後、15日以内にSECへ終了報告をする義務があります。

なおICOポータルを運営するにあたり、まずタイ国法人であることが必要です。デジタル資産取引所運営と同じくSECより営業許可を取得する事になります。営業許可取得の最低要件として資本金500万バーツで登記したタイ国法人に限ります。こちらは申請から許可まで約3ヶ月ほどの期間が見込まれます。またICOポータルについても年間手数料10万バーツを支払う事になります。

税金

2018年5月より制定された法律によりデジタル資産取引にかかるキャピタルゲインやインセンティブに対して15パーセントの源泉徴収税が課される事になりました。デジタル資産取引においては付加価値税7パーセントは免除されます。

(参考:https://www.sec.or.th/mpublish/digitalasset/digitalasset_offering.html

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